fc2ブログ

Entries

オンラインゲームにおけるチートの違法性について、不正指令電磁的記録より

オンラインゲームにおけるチートの違法性について、不正指令電磁的記録より

 ※「オンラインゲーム」という言葉を用いているが、ここでは複数の利用者が参加可能なものを指す


| きっかけ

 チートの存在は以前から知っていたが、モンスターハンター4に関するカプコンの目標などを調べていた際に目に付いたため、良い機会だと思い言及。
 (更に元を辿ると、カービィ関連ソフトの売り上げ本数を調べており、”GAME 00 | 『星のカービィ』シリーズ販売本数”、64・GBA世代の自分からすると、100万本はなかなか無いんだなぁと思っていた次第)

※追記(2014/1/31)
 リンク切れ確認。また、Wiki参照の結果、星のカービィ64は100万本越えていたよう。
星のカービィ64 - Wikipedia


 「モンスターハンター4」改造データに関するご注意として、不正なデータ改ざんが見受けられたと紹介されている。

 要点としては、以下のようなもの。
 (1) 不正データを作成・使用すると、ゲームが正常に遊べなくなったり、ゲームそのものが遊べなくなったりする可能性がある。
 (2) 他のプレイヤーとの通信プレイやすれちがい通信で、意図せず改ざんデータを受け取ってしまう可能性がある。
 (3) 正常データと不正データの判別は個人任せ。

「モンスターハンター4」改造データに関するご注意 | 株式会社カプコン : サポート
チート - Wikipedia


 チート行為に対する犯罪性について疑念を抱いている人は以前から居るようで、大まかに「利用契約」「知的財産権」「業務妨害」からの言及がなされている。マナー違反の言及もあるが、マナー違反程度の問題ではないので割愛。
 ここでは、2011年度に施行された比較的新しい法規である「不正指令電磁的記録」を加え、違法性について考察を行う。

オンラインゲームのチートってやったら犯罪なんですか? やった側も犯罪、頼んだ側... - Yahoo!知恵袋
オンラインゲームでチートは違法ですか? - オンラインゲーム - 教えて!goo
ゲームにおける非公式チートは犯罪行為なのか?: 2人の目線でゲームを分析! Blood Harmony

マジコン - Wikipedia
任天堂:ニンテンドーDS用装置(マジコン)に対する
差止等請求訴訟に関する東京地裁判決について(2013年7月9日)




| 違法性1(利用規約)

 違法とは異なる概念だが、一応記載。

 オンラインサービスでは、サーバ負荷, 他のユーザへの影響などから禁止されている模様。
 リアルマネートレード(RMT)も利用規約で禁止されていることが多い。

 オンラインサービスでは、発覚次第利用停止措置がとられる。

リアルマネートレーディング - Wikipedia



| 違法性2(知的財産権)

 オンライン, オフラインに関係なく適用可能。

 ゲームは著作権などによって保護されており、許可無くデータを改変することは禁止されている。
 しかし、データ改変を行う利用者は一応製品を購入している客でもあるため、現状では、知的財産権違反を取り締まるインセンティブが働きにくい。

※追記
 ゲームプログラム自体の改変は違法だが、利用データの改変は違法でない可能性がある。
 (違法例:提供製品自体にデータの読込み機能が付与されていない場合など)

 そうしないと、以前記述した将棋対局ソフトに詰め将棋を解かせる場合(情報収集家ブログ |将棋ソフト(棋譜ファイル考察-CSA形式))も違法となってしまう。。。


著作権法における罰則規定の概要
エミュレータ - Wikipedia
リバースエンジニアリング - Wikipedia



| 違法性3(業務妨害)

 オンラインのみで適用可能。
 事業者被害が重視された刑事法規。

 利用規約で禁止されている行為と基本的には同じであり、被害・悪質さの程度に応じて、利用規約違反, 刑事告訴の対応を決定している。

 ▼ 刑法第234条の2(電子計算機損壊等業務妨害)
 人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、5年以下の懲役又は 100万円以下の罰金に処する。

信用毀損罪・業務妨害罪 - Wikipedia



| 違法性4(不正指令電磁的記録)

 法解釈に自信が無いものの、個人的な立場。

 オンライン対応製品であれば、オンライン, オフライン関係なく適用可能。
 また、ツール作成者自体に対しても適用可能。

 利用者被害が重視された刑事法規。

 ▼ 刑法第168条の2(不正指令電磁的記録作成等)
1 正当な理由がないのに、人の電子計算機における実行の用に供する目的で、次に掲げる電磁的記録その他の記録を作成し、又は提供した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
  一 人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録
  二 前号に掲げるもののほか、同号の不正な指令を記述した電磁的記録その他の記録
2 正当な理由がないのに、前項第一号に掲げる電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者も、同項と同様とする。
3 前項の罪の未遂は、罰する。

 ▼ 刑法第168条の3(不正指令電磁的記録取得等)
 正当な理由がないのに、前条第一項の目的で、同項各号に掲げる電磁的記録その他の記録を取得し、又は保管した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

不正指令電磁的記録に関する罪 - Wikipedia
e-gov:不正指令電磁的記録に関する罪


【考察】
法務省:いわゆるコンピュータ・ウイルスに関する罪について(PDF)

 以下は、上記リンク内より抜粋。

・保護法益等
この罪は,電子計算機のプログラムが 「人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず,又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令」を与えるものではないという,電子計算機のプログラムに対する社会一般の者の信頼を保護法益とする罪であり …

・客体について
 あるプログラムが,使用者の「意図に沿うべき動作をさせず,又はその意図に反する動作をさせる」ものであるか否かが問題となる場合におけるその「意図」は,個別具体的な使用者の実際の認識を基準として判断するのではなく,当該プログラムの機能の内容や,機能に関する説明内容,想定される利用方法等を総合的に考慮して,その機能につき一般に認識すべきと考えられるところを基準として判断することとなる。
 したがって,例えば,プログラムを配布する際に説明書を付していなかったとしても,それだけで,使
用者の「意図に沿うべき動作をさせず,又はその意図に反する動作をさせる」ものに当たることとなる
わけではない

・目的について
「実行の用に供する」とは,不正指令電磁的記録を,電子計算機の使用者にはこれを実行しようとする意思がないのに実行され得る状態に置くことをいう。すなわち,他人のコンピュータ上でプログラムを動作させる行為一般を指すものではなく,不正指令電磁的記録であることの情を知らない第三者のコンピュータで実行され得る状態に置くことをいうものである。

・行為について
※重要ではあるが省略、「実行」と「提供」の定義が記されている


 オンラインゲームを行う場合、個人データなどは各利用者が管理する機器(PC、専用ゲーム機など)に記録されている場合が多い。オンラインゲームでは、この個人データを利用して動作するプログラムが予めゲーム提供サーバに搭載されており、各利用者から送信される個人データを基にゲームプログラム(実行プログラム)が提供される。
 ここで利用者が不正に改ざんしたデータを送信した場合、サーバ処理を介して不正なゲームプログラムが提供され、”情を知らない第三者のコンピュータ上で実行され得る状態”に至る。
 この不正なゲームプログラムは、他の情を知らない第三者のコンピュータ上において、通常のゲームプログラムでは実現し得ない結果を招き、他の利用者の"意図に沿うべき動作"を妨害する。

 つまり、不正な改ざんデータを送信した時点で、コンピュータ・ウイルスの配布と同義のことが行われていると解釈でき、オンラインでチートを利用した者は「刑法第168条の2 第2項の"実行の用に供した者"」として刑罰対象になると考えられる。
 同時に、不正な改ざんデータ自体を作成・提供した者は「刑法第168条の2 第1項」によって刑罰対象となり、ツールを提供した者は幇助犯(幇助 - Wikipedia | 減軽される)、改ざん手法を教えた者は教唆犯(教唆犯 - Wikibooks | 正犯となる)として刑罰対象になると考えられる。


 ただ、チート利用者の多くは小中学生である可能性が高く、正犯者に刑罰が科されず、幇助犯や教唆犯にだけ刑罰が適用されるというような面白い犯罪事案になる可能性を秘めていると思っている。(これは、無線LANクラッキングツール利用者とも共通している)
 特に、適当な利用者を1人でも刑事告訴・告発すればよいだけだろうため、改造ツール提供者・教唆者はどんどん排除できるのではなかろうか。この手の倫理不足は早いうちに(手痛い目に遭うなりして)修正された方が良いので、警察等には積極的に動いてもらいたいものである。


 長文を述べているが、全ては法解釈が正しければの話である。

関連記事

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

ブログ内検索

アーカイブ


ディスプレイ広告



テキスト広告